NCEES認定、NICET認定のQualified Fire protection Engineer という認定消防技術者はなぜ米軍建築プロジェクトに必要なのか?

from: マエモリ@東京

米軍プロジェクトが始まると多くのことを用意したり、手配したりしなきゃならない。

これはプロジェクトの落札通知を契約事務所からもらい、その書類をサインすると一気に

バタバタとしながら、会社のスタッフに指示をして協力企業さんや、材料調達してくれる商社さん、

なんかに片っ端からメールや電話をして動かないといけない。

米軍プロジェクトがスタートする時、本当に忙しくなる。

そして忘れてはならないのが、特殊な人材の手配だ。

それが今日今回お話しする、消防技術者である。

米軍建築プロジェクトで求められる消防技術者は大きく分けて2種類

米軍の建築プロジェクトでは認定消防技術者、Qualified Fire Protection Engineer(QFPE)と呼ばれ

米国国内で認定を受けた消防機器に関するエキスパートが必要だ。

米軍プロジェクトは合衆国国防総省(DOD)の下、執り行われるプロジェクトでは、国防総省の独自に定めた米国統一施設基準(UFC)のUFC3-600-01「施設における消防設備設計」というなかで消防設備技術者の関与を義務付けている。

そして米軍建築に限らず、施設の防火設備の点検や修理を行うサービス契約でも必要になるのがQFPEなのだ。

ぶっちゃけいえば、消防機器がかかわる建築プロジェクトQFPEを手配しなきゃいけないということだ。

QFPEには大きく分けて2種類の消防技術者が存在する。

つぎに2種類の消防技術者についてお話ししていきたい。

●NCEES認定消防技術者

National Council of Examiners for Engineering and Surveying(NCEES)という

全米技術者測量審査会という工学におけるプロフェッショナルのエンジニアを認定する協会みたいなところで、そこで実施する試験にパスしたエンジニアが正式に認定技術者として登録される。

このNCEES試験をパスした認定消防エンジニア(Professional Engineer:PE)が僕らがいうQFPEだ。

・NICET認定消防技術者

National Institute for Certification in Engineering Technologies (NICET)という

全米認定工学技術協会というエンジニアのなかのエキスパートを認定する機関だ。

このNICET認定を受けた消防エンジニアにはレベルがあって、消防設備に関与する場合、レベルⅢ、ないしⅣのレベルが要求される。

そして

QFPEは大きく分けると施工に入る前の書類の審査と施工中から最後の引渡し前の受け入れの試験まで消防全般に関わってくる。

米軍プロジェクトでは主要な建築プロジェクトでQFPEが関わらなければならないプロジェクトの要件があって、先ほども出てきたUFC3-600-01の基準によれば;

  • 既存施設の増築プロジェクト
  • 既存施設の総床面積の50%を占める工事
  • 新規施設の設計または建築
  • 5000平方フィート(約464㎡)を超える面積に作業で、防火壁/耐火構造、生命維持システム、20個以上のスプリンクラーの変更/追加、火災報知システム、または消火システムの設置が伴うプロジェクト
  • 防火または防煙バリアを通過するダクト工事

の建築プロジェクトにQFPEが必要になってくる。

NCEES消防技術者とNICET消防技術者ってどこに関わってくるのか?

答えは簡単。工事着工命令(NTP)を米軍から受領した時点から関与しなきゃいけないのだ。

”消防および施設の声明に係る設計、施工、試験/試運転のあらゆる側面に関与しなければならない”

とUFC3-600-01の施設統一基準でも明確に規定されていて、プロジェクトの最初から最後まで関わらなきゃいけない技術者だ。

建築プロジェクトでQFPEの責任範囲は以下のようになる;

  1. 建築基準法の分析
  2. 生命安全基準法の分析
  3. 火災警報/一斉通報システムの設計
  4. 消火システムの設計
  5. 水供給の分析(流水量試験など)(消火栓の流水量試験だけにかぎらず)NICET消防技術者
  6. スプリンクラーシステムの設計
  7. プロジェクト全体の総合的な審査(避難/非常灯が電気設計図に記載されていないか、機械設備のなかに一酸化炭素検知器かあるかなどの確認など)
  8. 消防機器(消火、火災報知器、防火措置など)のサブミッタル審査
  9. 建築プロジェクトの現場検査
  10. 受け入れ試験の実施

とこんなにも作業範囲が広く、建築プロジェクトのどの段階でも関わってくる重要なポジションなのだ。

しかもこの認定消防技術者は、日本国内では代わりになる資格者というのが存在しない

日本のの消防機器の資格者が代わりになりえないのは、あなたも御存じのNFPAの消防法を熟知しているかなのだ。そして米国の消防法NFPAは日本の消防法とはかなり複雑で仕様も全く違う消防法で米軍建築プロジェクトでは必ず関わってくる規格でもある。

UFC、NFPAがセットで仕様書に出てくると、まずは代替規格や代替になるサービスはないと考えるほうが良い。

でも日本国内にそういう資格者っているのだろうか?と考えるかもしれない。いる?いない?

QFPEってどこを探せばいいの?

ここまで読んでくれたあなたなら、ふと頭の中にそういう疑問がわいただろう。

QFPEを探す方法は、2つある

一つは米国のNCEESとNICETの公式ページで認定技術者が登録されているのでその人物をあたること。

米国内で探すのは本当に難しい、というのも運よく見つけても連絡がこない、たとえコンタクトが取れたとしても米国外の案件だと責任範囲外、サービス適用外だと言われてしまう。実際コンタクトを取ったことがある僕が何度も経験してきたことだ。そして一番面倒なのは、時差。

日本とアメリカは本土では14-17時間の時差があり、これが打合せする時間調整が厄介ということだ。

そして技術者を雇うのは安くなはい。認定技術者ともなるとかなり高額な金額を覚悟しておく必要がある。

そして支払いはドルだということ。いまは超円安時代でドル払いとなると余計に為替の追加費用が掛かってしまう。

2つめは、実は日本国内で手配することができる。日本国内でQFPEを探すとなると非常に少ない人づてを頼りに紹介してもらうこともできるが、あまり知られていない。

けれども実は僕はあるQFPEとつながりを持つことができ、パートナーシップ契約を結ぶことができた。

日本国内で手配できるということは先方と連絡が取れない、ドルの為替相場の影響もなし、時差とかも考えなくてよいということだ。

もしご興味があれば、こちらから相談を受け付けている。

P.S: QFPEは日本では数人いるが皆多忙で全国を飛び回っている。なので状況次第では案件を断られることもあるので、はやめにコンタクトを取って連絡することをお勧めする。

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